「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみる18/もぐもぐ
 
意せねばならない。ここで混同と言うのは、諸君の考えのなかにある理念[絶対的全体性という]を、経験的に与えられた客観−つまり経験の法則にしたがって認識せられる客観の表象と誤想することである。それだからかかる独断的解決は、不確実であるなどというきわのものではなくて、まったく不可能なのである。これに反して批判的解決は、宇宙論的問題をなんらかの客観に関して−換言すれば客観的に−考察するのではなくて、そもそもこの問題を生ぜしめたところの絶対的全体性の理念に関する認識に基づいて考察するのであるから、完全に確実であり得る」(カント「純粋理性批判」、512丁、岩波文庫、篠田英雄訳、中巻、162頁)

時間と空
[次のページ]
戻る   Point(1)