4/21の記憶装置/夏嶋 真子
 

 
 
買いものの途中
「ちょっと 待ってて」 と
ふいキミはどこかへ
 
子犬みたいな笑顔が
走って もどってくる
その手には
青いリボンをかけた小さな箱
 
 
 
       
唐突なキミからのプレゼント
今でも大切に持ってる
 
バカみたいにいつも一緒だったよね
人生の1/5はお互いでうまってたよね
 
とおくとおく離れすぎて
ふりかえると 
ぽっかり広がった
明るい空白が見えるよ
 
 
不思議だね 
あんなに大好きだった気持ちも
あんなにつらかった別れも
あんなに後悔した気持ちも
 
心の中を探しまわっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)