4月11日の懺悔/
高杉芹香
カチカした。
信号が青に変わり急に速度を上げたあいつは
「危ないから、寝ちゃだめだよ」って言った。
『ん。いくら寝不足でも、バイクのケツじゃ寝ないからっ。』
あたしの声はマフラーの音に消された。
掴んだ白いシャツはひらひらと舞っていた。
今年の春で
もう何回目になる?。
出会ったのは春だった。
不思議な空気を持つあいつは
いつ会っても
さびしそうに笑っていた。
なんで笑うの?。
一度 聞いたことがあるけど。
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