「春霞」/広川 孝治
受け止めてくれた
僕はそれを愛だと信じていたのです
望む時にいつも逢えるわけじゃない
休みの日に共に過ごせるわけじゃない
手をつないで町を歩けることも無い
ただできることは
密室で二人時を過ごすだけ
体と体を絡ませて
二人の距離が遠い分
一つになって
それを埋め合わせようとする
いくら吐息が重なり合っても
近づく別れの時間を意識すると
どうしようもないやるせなさが
僕の胸を食い荒らしていたこと
あなたは気付かないふりをしていたのでしょう
クリスマスの夜に
あなたは家族でディナーショーに出かけていたね
僕はたまらず
こっそりあなたの後を追って
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