慰めの匂い/プテラノドン
とのできない静けさ。
僕はベットサイドに置いた本をめくる。
異国の新聞記事が集められた本だ。224ページ。
チューインガムの発祥地であるメキシコが抱えた
都市問題ー、それを解消すべく行われた清掃作業の一部始終。
地面にへばりついた百万個のガムをひっぺがす聖人たち
白黒だが写真つきだ。僕は、掃除道具を片手に
カメラに向かって微笑みかけるおばさんたちの
報酬賃金や、家庭環境のあれこれを思い浮かべつつ
一週間も経たずに元通りになるであろうーその路上に立つ。
なんせ、僕はさっき、電話をくれた友人に
生きていようが死んでいるようなもんだよ、と
いったばかりなのだから、
何千?離れて
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