忘れたらなんか困ること/石川和広
 
まり、理想的なケースにもっていけるってあまりにも主張すると逆にそこから離れることもあるのよ。正義が大手をふるって町を破壊するみたいなことになるよ。

邪であったり、私欲をもつ人間がだからこそ、その上に美しい関係も作りうるという逆説の部分を入れ込んで話しない限り、人間を尊重し、ひとを大事に、豊かにするという呼びかけは往々にして空無に終わるように思う。

つまり人間が複雑な社会に生きていていろんな種類の孤独をもって、そこからつながりうるということが、あるときは暴力としてでてしまうとしたらどういうことか。わかんないけど。難しいけど。詩だってそこに根ざしているはず。
だったら、そこをとりあえずは
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