帰る空/
こしごえ
れにかえる
みちのりむなしい雲路をゆけば
無欲を超越した ところ無数の暗いかどに
空白のよこ顔がひっそりと
うかびあがり 沈黙している
えん岸で
今晩は とあいさつをしても
行実の暮れた法をゆびさすばかり
じゅうりんされた
庭に咲く
血の花が、
わたしの静脈で
かおるゆう方。
しずけさが
飽和する空
ろな求心力に
冴えてくる光神
純銀の血しおが澄みわたる沈静を
脈動の月虹が、ふちもなく無実に
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