微笑/山中 烏流
 
ろいろ
を、考えて

いつもより
夜更かしした瞼を
重力で飼い馴らそうとする


たとえば
その思考の大半は
おこがましいけれど、私自身についてで

残りの少しは
多分、とか、きっとだけれど
何を考えるかについて
考えている



母のくしゃみが

耳に残って
上手く、眠れない





・早朝の話



起き抜けの母の
使い古した溜め息の横を
黙々とすり抜けて
朝食を作り出す


すれ違い様
母親に
ありがとう、の一言を貰ったけれど

何についての感謝なのか
全く分からなくて
一つだけ
曖昧に微笑んだ

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