漁色の日々に/前澤 薫
生意気な奴め!
顔面を
引っ叩こうと
手を伸ばし、
お前の眸を睨めば、
雨でぐっちょり
濡れている。
濡らしているのは
蛭だけではないのだな。
槍が痛いか?
恋しいか?
俺は
お前の濡れそぼった眸を
近視の目線で
盗み取る。
そして、
お前の薄い唇を
べろで突付けば、
汁気と熱気で
ねっとりと。
お前はぐっちょり
浸りきり。
お前の肌に
くっついている
襞という襞は
ぜーんぶ
ぬーれぬれ。
ぐっちょぐちょ。
ぐっちょりんぼ!
ぽんちぽんちょりと
いかれちまった
槍の先。
痛いぜ!
だけんども
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