あたしの町へ/柊 恵
見ちゃダメなのに
読んじゃった
古びた卒塔婆
黒くひらがな小さく
みづほ
「瑞穂って誰?」
「2年生よ、おさげの子。探さなきゃ!」
急いで走って森の中
後から、ついてく男の子
あれ!?
すぐに森を突き抜けた
キョトンとしてる男の子たち
もう一度入る森の中
ほんの数分、歩いたら
端から外に出てしまった
目と目で話す顔と顔
分かってるから
言葉に出ない
日が落ちる
お迎えに来たママ達が
子供らの
不安の香り
嗅ぎわける
「瑞穂ちゃんが居なくなったの」
ママ達は
小声で話し合いをして
みんなで首を傾げてる
「
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