けふのうた(散文バージョン)/みつべえ
 

いい天気だ。
中天に陽はかがやき、青空は高く澄み渡っている。
こんな日に屋根の下で「かきもの」するやつの気がしれない。

近くの丘にのぼる。
見はるかす全風景が光のなかにたゆとうている。
私は、ブンガク少年になる。

時として涙をおぼゆ草木(そうもく)の悠々として日を浴ぶる見て ※

と諳んじたあと、どこからか囁きのように言葉がくる。

ひとはもっと 陽をあび
風に吹かれるべきだ
住居には 悪い人ばかり

うん?
これは詩か。
詩ができたのか。
まさかね。
それから急いであたりを見まわし舌をだす。
酒がのみたくなる。

名前もしらない通りをどんど
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