水門/プテラノドン
はずだけれど。僕らは水門係の馬鹿に
人数分のドクターペッパーを買いに行かせている間、
そいつを置いてきぼりにして、当時、一番遊んだ
調度いいサイズの水門へと場所を移動し、いつものように
くくられていた縄をほどき、ボートを引っ張って、
そこに入り込んだーナマズかウナギを期待してー魚の仕掛けを
荒らしながら、ギルやバスの滅亡を願いながら
水門までの、曲がりくねった水の中を歩いた。
そして、時折、ブーンという鈍い音が空に響くと
それが、土手で誰かが飛ばしていた模型飛行機であろうと、
お構い無しに、反射的に僕らは手を振った。
友達は言った。いつかはあっち側にまわりたいと。
僕もそう
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