生かされていることへの感謝としての宗教/レヴィナスの宗教哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる16/もぐもぐ
の引用文の<無限>という語は、「自然」という語に置き換えることができる。
「自然」とは何を意味するのか。それは第一に「初期条件」であり、第二に「能産性」である。自然は人間にとって所与のものであると同時に、それを維持・再生産し、もしくは破壊・変革する力を持った何者かである。小さなレベルでは、それは「細胞」であるとか、その構成部分であり、大きなレベルでは、大陸や大洋、若しくは地球環境全体(プラスそれに影響を与える恒星・惑星等の活動)であるということができるだろう。
宗教的な言い方をすれば、私は生きとし生けるものすべてに曝されている。私が感じる喜びも、苦しみも、私を浸している「自然」が与えま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)