生かされていることへの感謝としての宗教/レヴィナスの宗教哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる16/もぐもぐ
古代ギリシアの哲学者達が、「万物の根元」として様々に言い表そうとしたものであった。タレースは水と言い、ヘラクレイトスは火と言い、アナクシマンドロスはこれを「ト・アペイロン」、即ち「限りのないもの」と言った。レヴィナスの用いる<無限>という語には、このト・アペイロンのイメージが反映している(或いは、原典を確認できないので分からないが、もしかしたらそこからそのまま持ってきているのかもしれない)。
なぜ万物の根元が<無限>であるのかと言えば、それは全ての特徴付けから免れたものだからである。特徴を持つもの、「〜である」と言い表すことの出来るものは、「限定」されたものであって、全てのものの根元にはなり得な
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