生かされていることへの感謝としての宗教/レヴィナスの宗教哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる16/もぐもぐ
 
れる。
「・・・隔時性という<無限>は、存在からも無からも等しく隔たったものとして、私の意に反して責任を喚起し、人質として<他者>の身代わりになるよう私に命令するのだ。私の内奥全体が、「私の-意に-反して-一人の-他者の-ために〔他者の代わりに〕に転じる。意に反して「一人の-他者の-ために」〔その代わりに〕、それこそが意味の最たるものであり、自己自身、すなわち<se>の意味である。・・・<se>という対格、それは自己を失いつつ自己を再び見いだすという事態にほかならない」(p42)

<無限>というのは、限りのないもの、何ら限定を付されていないもの、であって、これは古代
[次のページ]
戻る   Point(0)