生かされていることへの感謝としての宗教/レヴィナスの宗教哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる16/もぐもぐ
 
い。

ホッブズ的なロジックはこれに抗しようとする。自然や他者は、私に害を与えるものであり、私が排除すべき、それに抗して身を守るべき何者かである。私は理性を駆使して、それらから私の身を守る。機械を作り、他の人間と協定を結び、私は最大限の努力を払って私の身を防衛する。私は、自然ないし他者に無条件的に曝されている度合いを、最小限のものにしようとする。私は自然や他者の威力を退ける。私のみが、私自身の支配者として相応しいものである。私以外の何者かが、私の意思とは無関係に、私自身をコントロールすることを、私はあらゆる努力を払って阻止しようとする。

ホッブズ的なロジックは、それが闘争を必然のものとす
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