『インサート』/m.qyi
 
すが、「性愛」というとはっきりと対象が必要であり、その対象と自分の間にこのキャンバスが立ち現れてくる、(se) X(交差点)が出てくるでしょう。Xさんの芸術は、この(se) Xが実はよく把握できない、塗り替えられていく色合のものだという感覚をお持ちのように感じるのです。これが、お願いした第一の理由です。
 キャンバスが目の前にあると普通の人は戸惑うものです。やれ構図はどうするとか、やれどうやって油を溶こうかとか。ところが、この疎外感が非常に感じにくい芸術形態があり、それが詩だと思います。しかし、言語は非常に社会的な、つまり最も人工的で複雑な道具でこの疎外度(使い難さ)が非常に高いはずです。(もと
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