An ENPTY OVEN/伊月りさ
 
学を打ち立てたいのだ
あの夜にも
わたしは波打ち際で
きみに引きずられて行く街の
老婆の言葉を信じている
きみは
安らいだ指で
兵器をわたしに
嚥下させたので
わたしの魚類は決起した
わたしの下半身が魚になる、
潮が引いていく、飛沫が聞こえなくなる、わたしは
泳げなくなる、わたしで
断絶してしまった
わたしたちは熱い砂浜に転がされている
がらんどうの子宮

それは、オウブンだと謂う
パンを焼けない世界中のオウブンが決起して
津波をおこすが
わたしたちは煙がいい、
わたしも、
わたしも、
煙で男たちを沈めたい

いま、彼女の兵器は
世界で一番確実な
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