人魚・2 〜蝋燭〜 【小説】/北村 守通
、一体何を成そうとしているかが未だ不明のままであるこの時間に対してなのか。あるいは揺らぎつつある一類の望みに対してか。
いずれもが真だった。それでも私の足はその場所に変わらずあって、動き始める気配がなかった。靴の中が砂にまみれていた。私は、彼女のそれらが海の中にあったことを思い出した。
あれからどうしたのだろうか。
着る物を台無しにしてまで決して温かいとはいえない水の中に立ち、映らぬ瞳に何を焼き付けていたというのだろうか。いつもそうして立ち尽くしていたのだろうか。あるいはこれからそうするのだろうか。もしかしたら、偶然私が居合わせたときに、偶然彼女もそうしていただけなのかもしれな
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