殺さないものとしての同族−「存在の彼方へ」を読んでみる15/もぐもぐ
 
は出来ない。或いは山や川は、「死ぬ」ことはあっても「殺す」ことは出来ない。これは、人間の側から「関係」するのでなく、向こうの方から人間に「関係」してくる、人間が「関係されている」というあり方をしていることを示している。

他方で、「責任」は「生かす」という命題に置き換えることも出来そうである。
「植物」ないし「自然」は、「生かす」ものである。「生かさ」なければ「死んで」しまう。「殺さ」なくても、放っておけば自らの手を逃れて「死んで」しまう。
「人間」も、ある意味においては「生かす」ものである。「生かさ」なければ「死んで」しまう。
「生かさ」なければ「死んで」しまうという関係は、自分がその
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