殺さないものとしての同族−「存在の彼方へ」を読んでみる15/もぐもぐ
 
、直接にはこの成立の仕方を問題にはしない。これが「意味」するところのものを思考するのである。

そもそも、自己/他者とは何であろうか。自分と他人は、一体何が違うのだろうか。どこが共通しているのだろうか。

自己と他者は、どちらも「人」であることが前提であるという点で、共通している。つまり「同族」であり、レヴィナスの言う「兄弟関係」である。人でないものは、自己でも他者でもない(例えば石ころは、自己でも他者でもない)。自己と他者は、「人」という共通性(「同族」性)が確立される枠内で、始めて意味を持つ。

他方、自己と他者は、感受しえるかしえないかという点において、相違している。私は究極的に
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