終わりの十五。/榊 慧
 
れた。「おかしいのは君のほう。それを周囲に求めてはいけない。君は異常なのだ。君が異常なのだ。要は、それぐらい、早熟なんだ。」最近のことである。同時に、「それって、ひどく不幸なことだよ。」と。何故なら、俺だけが苦しむからだ。その、温度差に。
俺が異常。俺だけが違う。俺は常々思っていたことがある。「俺は他の同級生みたいな考えは出来ないだろう。俺は彼(彼女)らとは違い、思考の筋が難解に絡まっている。そして俺の存在する精神世界(といっていいのか。)は他と違い、薄黒い。もうほとんど真っ暗にちかいはず。」
でも、俺は自分のほうが、というのを認めたくは無かった。中学生であきらめたが、一緒に楽しく話せる同級生
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