終わりの十五。/榊 慧
いる、コーヒーを飲んでいる、それが信じられないことのように思えるときがたびたびある。何で俺は消えていない、何で俺は死んでいない、何で俺は今生きている!俺の視点は俺の中でないところにあるかのように。俺の視点だけが残ってるような錯覚も覚える。俺は自分で自分を説明できないことにいらだつようなふつうの15歳でもし何かが(もしくは誰かが、)俺のことをやさしく包み込んでやさしいやさしいことをしたら、人前であってもそれを憚らずに泣いてしまいそうなほどの、ふつうの15歳なのだ。
もっともっと伝えたいことがあってでもそれが上手くいかない、そんなことばっかりの15歳なのに、
何故俺は異質だったんだ
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