よい朗読は魔術/里欣
 
ボクシング全国大会が控え、詩朗読の常連さんも前夜祭朗読会バーへ。 
たぶん世界の詩人たちも、詩ボクいう民間のイベントを知らず帰国しただろう。
 自作朗読の途中に翻訳などの隙間が入ったりして、オペラみたいに字幕をつけて、最後のスピーチを朗読の前に行ってほしい、日本詩人のスピーチも聞きたいと、内心でリクエストしながら、二日間過ぎた。
 一方、いままで身近でありながら風のようにすれ違ってきた俳句、短歌を、日本語で聴き、次に英語で聴き返し、さらに日本語を聴き進み、また英語訳を聴き比べているうちに、不思議に魅了されつつ、日本語もなんとクールで粋な響きだと改めて感心した。逆輸入みたいな発見だった。
 
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