雪のひとひら/小川 葉
 
しないのに、訪れるたび買うようになっていた。その店には、これは失礼なのかもしれないけれども、後姿はとても垢抜けていて、まるでパルコの店員みたいなのに、ふりむけば、どこか懐かしいような、田舎娘の風情を呈している、とでも言えば失礼にあたらないであろうか、とにかくそんな娘がいて、何度かその店を訪れるたびに、いつしか目が合えばおじぎしあうような仲になっていて、なんということはない、客と店員という、ただの仲であるのだが、ただならぬ親しさというべきか、昔の自分のことも知ってくれているような、たのもしさに面会しに、毎週末、その店を訪れているといっても、誇張ではなかった。

 ある週末、私はまた、買っても使う
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