雪のひとひら/小川 葉
の手紙の返事によって知った。
週末、仕事の帰り道。いわゆる仙台の人が言う、そのもっとも変わったあたりを、ひとり徘徊することが習慣となっていた。仙台駅前に最近できた、パルコというファッションビルディングの入り口から入ってすぐ左方向に、ある雑貨屋がある。舶来の文具などを主に取り扱っており、私は何を買うでもなくそこに立ち寄っては、ペンの書き具合をたしかめてみたり、わかったようなふりをして、ノートブックの紙質をなでて確認し、うなずいてみたり、内心、これはきっと自分が買えるようなものではない、高価なものであると、びくびくしていると、意外にそれほどでもなく、そうしてボールペンや、メモ帳など、使いもしな
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