関のキリン/yo-yo
 
そんなあほな、てか
「卅日(みそか)、日光山の梺(ふもと)に泊る。あるじの云ひけるやう、我名を佛五佐衛門と云ふ、万(よろず)正直を旨とする故に…
いややわ、おじいちゃんみたいな人やんか
「唯無智無分別にして、正直偏固の者也…やって
  キリン…とおじいちゃん
はいどうどうキリンさん、旅をつづけますよ
「卯月朔日(ついたち)…ほらもう日光よ
「あらたふと青葉若葉の日の光…
日光見ずして結構毛だらけ猫灰だらけ
裏見の瀧でキリンまだら模様
「暫時(しばらく)は瀧に籠るや夏(げ)の初(はじめ)…
濡れそぼつままに、はや雨降る那須野おすえ
「この野は縦横にわかれてうゐうゐしき旅人の道
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