関のキリン/yo-yo
き四十六歳やて
おじいちゃんより三十も若かったんやね
キリン…とおじいちゃん
うふ、すっかりキリンさんになりはって
キリンて首が長すぎるんやわ、きっと
心臓とお口がえろう離れてるさかい
思うてることなかなかお口まで届けへんのね
お口の中にもぐもぐを仰山ためて
何があるんやろ思うたら
わたし眠れへんようになるねん
まっええか、行こ行こ
「千じゆと云う所にて舟をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて…
「行春や鳥啼(なき)魚の目は泪…
おじいちゃん、お魚が泣いたんやろか
キリン…とおじいちゃん
キリンが泣きはったら
涙が雨だれのように落ちてくるやろな
そん
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