最後のチャイム/青木龍一郎
僕はポケットからマッチを取り出し
中から棒を一本取り出し、あーと息を吐いて
木箱の側面にスライドさせる。
火がついた。
「見て」
僕は初めて君に声をかける。
「見て。火が燃えてる」
カーテンにくるまってた君が、僕が手にもつマッチを見る。
僕はそれを黒板に投げつけた。
黒板が燃えた。
「黒板を燃やすことでようやく授業が終わるんだよ」
黒板はみるみるうちに焦げていく。
「ようやく授業が終わったよ」
僕はいきなり机の下に身を隠し、机をガタガタ揺らしながら叫んだ
「地震だよ!地震がきたよ!どうしよう!地震がきち
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)