最後のチャイム/青木龍一郎
きちゃった!」
君はカーテンから僕を見つめてる。
歯をガタガタ鳴らしているのが分かった。
「地震だよ!地震がきたよ!どうしよう!地震がきちゃった!
僕達さあ!このまま死んじゃったりして!怖い!でもドキドキしちゃう!
ほら!見て!こんなに震えてる!僕達のインフルエンザはキラキラと光りだす!
その場合の根拠はためになるよ!?」
この間さあ、君の悪口を言ってる男子たちが居たから
そいつら全員、金属バットでやっつけたんだけど
それは僕の弱さを露呈する結果になってしまったよ。
僕は君のことが好きなわけでもなんでもないけど
沈黙の教室で2人きりになったとき
夕焼けが差し込む寒い寒い教室の中で
ただ一言交わした会話が
ずっとずっと胸の中に刻み込まれていて
ふと思い出したときに
僕はおしっこを漏らしてしまったりするんだろうね。
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