F ヶ丘/水町綜助
 

  滑空のときだ

 渡りきったなら
 坂道があるから
 先がまぶしいだろ
 上までいけば
 目も慣れるんだ
 歩くうちに夏だ
 ほらみろやばい光だ
 またまっしろだよ
 とりかえし
 つかないね

 僕も
 君も
 白光にとばされて
 からだ無くせばいい
 その隙に駆けるから
 きみはぼうっとしてりゃいい
 そんでかげろうにうだって
 あついね
 あせ 流れるね
 八月 なのか

 あたまがくしゃくしゃだ
 もう
 君もくしゃくしゃのあたまに
 手もってやるからさ
 走れよ
 町 まだつづくから
 コンビニとか
 クリーニング屋とか
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