時間と認識−「存在の彼方へ」を読んでみる13(2)/もぐもぐ
 
してではなく、<語ること>としての時間の時間化を考えるべきであろう」(p37-38))。これはどういうことだろうか。

恐らくこれは、簡単に言えば、それは「あ、鳥だ!」と初めて叫ぶその瞬間のことである。「経験(感覚)」と「言葉(観念)」が一致し「認識」として成立するその瞬間。原初的には、声に出すことにより、あるものと別のものの同一化が「宣言」され「成立」する。月をみて「つき」と初めて呟く赤ん坊は、「丸い黄色い空にある何か」と「つき」という親から吹き込まれてきた語を「同じ」ものとして「初めて」「宣言」する。この呟きの瞬間。その瞬間こそが、「経験(感覚)」=「言葉(観念)」という方程式が成立する瞬
[次のページ]
戻る   Point(1)