時間と認識−「存在の彼方へ」を読んでみる13(2)/もぐもぐ
「(生き生きとした)時間感覚」と「時間概念」の関係は、一般的に言えば、「経験」と「言葉」の関係と言い直すことが出来る。
「経験」と「言葉」の間にはどのような関係があるのだろうか。これは、「認識」の成立と絡んで、哲学上「認識論」と言われる分野で、長いこと論争されてきた問題である。認識論は近代哲学のメインテーマであった。
大体の場合、私たちは、「言葉(概念)」は実際の「経験」から抽象されて出来上がるものと考える。例えば沢山の「翼があり空を飛んだりする生き物」を観察することで、そこから抽象されて「鳥」という概念が生まれると。勿論これは素朴な立場なので、もっと念入りに考えて、「言葉(概念)
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