時間と認識−「存在の彼方へ」を読んでみる13(2)/もぐもぐ
 
、客観的物理空間においては、「時間」は否定可能である。仮に客観的物理空間において「時間」が実在するのなら、宇宙には始まりと終わりがなければならず、パラドックスを引き起こしてしまう(宇宙が始まる前、とか、宇宙が終わった後、という概念を想定した瞬間、その「前」なり「後」なりの「時間」があることを認めたことになってしまう)からである。客観的物理空間は単にあるだけで、「時間」を持たない。「時間」は人間の側が勝手に投げ込んでそれにより客観的物理空間を観察するところの、単なる「概念」である。

ここから、実在する時間「感覚」と、実在しないものの記号に過ぎない時間「概念」との間の関係が哲学上問題となる。

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