時間と認識−「存在の彼方へ」を読んでみる13(2)/もぐもぐ
「経過=喪失」としての「時間」。レヴィナスは何のためにこのような「当たり前の事実」を持ち出すのだろうか。「この告知の意味を今は明らかにしなければならない」(p37)。
(第5節「<他者>に対する責任」)
少々哲学的になるが、そもそも哲学上時間についての議論が何故必要なのかというところから考え起こしてみる。
物理的世界には時間というものは必ずしも必要ない。空間と物体があれば、簡単な力学は記述可能であろう。物理的空間において「時間」が要請されるのは、精密に考えるための「概念」としてである。「時間」概念を持ち込むことにより、物体の運動をより上手く考えることが可能になる。二次元空間から三次元
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