喪失としての時間−「存在の彼方へ」を読んでみる13/もぐもぐ
 
れ得、それによって批判は完膚なきまでに沈黙させられるだろう。だが、それでもしかし、「懐疑論」は回帰する、とレヴィナスはそう言う(「いわゆる論理的思考は懐疑論に対して数え切れないほどの反論を、それも「反駁不能な」反論をつきつけてきた。にもかかわらず、懐疑論はこのような反論をものともせず繰り返し蘇生する」(p32))。「存在の彼方」を探し求めるレヴィナスは、「大胆な」(p32)「懐疑論」の立場を選択する(この点については、「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8、を参照)。そして「歴史」=「現前」の立場に立つ思考から、見落とされているものを見極めようとする
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