場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10/もぐもぐ
る(=「『〜である』という確定記述によって定義できない」。共通の人間だからといって全ての人間が同じである訳ではないし、皆が共通に「私」という言葉を使うからといって、全ての「私」が同じである訳ではない)。
「自己」はseで、辞書で見ると、soi-memeはその強勢形らしい。仏語を勉強していない私には強勢である場合とない場合の相違は分からないが、基本的には多分同じような意味だろう。一応学術文献として原語に照らして訳し分けているのだろうが、読むときにはどちらも「自身」とでも置いてしまった方が、個人的にはピンとくる。
「自我は自己に安らうことも・・・できない」。私は私自身に安らうこともできない。
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