場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10/もぐもぐ
 

「自我は・・・自己と合致することもできない」。私は私自身と合致することもできない。
「お前は〜だ」と外側から定義されても、どうしても私自身としては納得のいかない部分が残る。名前、履歴、社会的地位、人間関係、等々の記述、「何者かであること」は、私の全てではない。それらを全て書き尽くしても、私という人間を言い尽くすことはできない。「〜である」という記述で、私を割り切ってしまうことはできない。

「割り切れない」私、自己自身(私自身)。それは何なのか。

何故かこの「存在の彼方へ」という著作においては、この単語は一度も出てきてないように思うのだが、レヴィナスの別の著作の言葉で言えば、「実
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