場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10/もぐもぐ
簡単に言えば、「何者でもないこと」である。「〜である」という、特徴づけをなされる以前の状態に、留まることである。
レヴィナスはそれを自己自身(soi-meme、英語なら〜self)という。
「自我、比類なき唯一のもの。なぜなら、自我は類の共通性や形式の共通性から放逐されているからだ。だからといって、自我は自己に安らうことも自己と合致することもできない。平静ならざるものなのだ」(p34)
「自我」という訳語は自由意志を持った主観を連想するのであまり良くないような気がするが、原語はsoiであろうから、恐らく、単に「私」ということである。「私」は類の共通性や形式の共通性から放逐されている(
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