場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10/もぐもぐ
とのうちに君臨する運命の炸裂を言表しなければならないのだが、砕け散った存在することの諸断片、諸様態は、相異なるものであるにもかかわらず相互に帰属し合っている。言い換えるなら、これらの断片や様態は同じ一つの秩序に依然として属している。いや、これらの断片や様態はそもそも<秩序というもの>から逃れることがないのであり、それはあたかも、運命の女神たちによって断たれた糸の両端が切断されたあとで結び直されるかのようである」(p33)
哲学書とは思えないような風変わりな表現であるが、とにかく、このように、何度断ち切ったつもりであっても、「現実」=「存在(生)」の利害や闘争は、執拗に執拗に回帰してくる(「存在す
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