「 潜入創作官。P. 」/PULL.
 
しの姿が消えたからといってすぐに創作をはじめてはならない。うそばなしが視界に嘘を吐き、姿が消えたことにしているだけかもしれないからだ、気を抜いてはいけない、そのまま何事もなかったかのように潜入を続け、普段通りの生活をいとなむのだ、やがてうそばなしの気配が消えことばが消え臭いが消えするりと、創作官の胸に落ちるものがある、それはそれは嘘だ、自らのからだもこころも偽りずっと吐き続けてきた、嘘だ。

 うそばなしの自供はあてにしてはいけない揺るぎない物証による立件のみが創作を投稿に導くのだ。うそばなしの残した毛根や体液からDNAを採取し、その虚構配列を調べ分析し、指紋を洗い、過去の創作記録や読書歴から
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