「 潜入創作官。P. 」/PULL.
ばなしは嘘であるだけに巧みにからだを導くがどんなに我を忘れても決して、うそばなしにこころをゆだねてはいけない、ゆだねていいのはからだ、それだけだ。
記録されたうそばなしを信用してはいけない。それはまやかしだ、監視カメラの映像や盗聴テープに残るうそばなしは実像ではない、虚像だ、虚像は甘く実像よりも官能的だ、その甘美さは創作官の感覚を狂わせ惑わせる、惑わされてはいけない、うそばなしは記録に嘘を吐く、だからすべてを記憶しなければならない、手で、足で、鼻で、舌で、眼で、肌で、脳で、創作官はからだの内も外もすべてを使って記憶しなければいけない、そしてその記憶すらも信じてはいけない、何故なら潜入創作官
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)