レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
とである。実用的・合理的な目的-手段の連鎖として考えられた場合に、「まなざしがひとつの見晴らしとして得る普遍的秩序」が成立するのだが、(当時の)現代絵画は、そうした合目的的な世界から外れるものを見据え、それを積極的に提示しようとするわけだ。
「このような絵画による物質の再現のうちに、この世界の変形−つまり裸にすること−がひときわ印象的に実現されている。事物の表層そのもので連続性が破断され、折れた線が好まれ、遠近法と事物の「実際の」プロポーションが無視されるといったことが、曲線の連続性に対する反抗を表している。何ものにもよらずそれ自体が重きをなす断片のような事物、塊、立体、面や三角形が、地平線
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