レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
 
画や詩は、芸術的現実の異郷性を保存し、その現実から可視的な形態を従属させるこの魂を追放し、再現された対象たちから表現という従属的運命を除き去ろうとしているのだ」(p110)
1940年代(この著作が書かれた頃)以前の(特にフランス)芸術の流れの描写としては、美術史上の一般的な記述にも合致するような認識ではないだろうか。
レヴィナスがそうした抽象芸術というか、不定形なものを描写する美術を実際にどの程度愛好していたのかは分からないが、その記述にはかなり熱が入っているように思われる。勿論、こうした<形>の破壊を目指す芸術を、単なる好き勝手であるとはレヴィナスは見ていない。
「画家が自然に対して自由
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