レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
たちあるいは芸術家の魂への共感によって、作品の異郷性は私たちの世界に統合される」(p110)
そうして浮かび上がった各作品の<形>、それらを更に統合する、「芸術家の魂」が想定される。私たちは多様な作品の読み解きを通して、作者の「統一的な人格」のようなものを探り出そうとする。勿論そのようなものは、単なる観念的な抽象物、私たちの勝手な想像に過ぎないものではあるのだが、どんな場合にも多かれ少なかれ、相手の人格の統一性を想定してしまうというのが私たち人間のあり方なのである。(この辺りは、フッサールの他者論を受けた記述であると思われる。自分の自我の連続性から、人格の統一性が想定され、それが身体の類似性(「
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)