レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
「対象」の「知覚」のための運動なのである。)
レヴィナスの「音楽性」の把握はかなり独特なものだと思うが、例えば「絵画の音楽」ということが言われ、または「散文詩の音楽性」というようなものが言われるときに、また通常の「音楽」や言葉の「リズム」等も射程に入れながら、それらの共通性を括りだす場合には、かなり使い勝手のある、興味深い捉え方であるように思われる。
さすがにレヴィナスは哲学者だけあって、見ている事柄の射程は広い(因みに、この「実存と実存者」という著作は、第二次大戦中捕虜になっている間に書かれたものだというのだが、単に優遇されていたのか驚くべき精神力があったのか、どうして従軍しながらこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)