レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
 
イトルについてだが、「実存」というのは「現実存在」の略語であって、サルトルの「実存主義」とかでかなり名の知られた概念でもあるし、哲学的にも伝統のあるものらしい。論者によって当然違いはあるのだろうが、話を簡単にするために敢えて私なりの勝手なイメージで言えば、個物(「これは〜である」という風に名指しされるもの)の存在(「ここに〜がある」英語ならThere is/are ...)のことである。抽象的・普遍的な定義ではなく、個別的・具体的なものに関係しており、かつその個別的・具体的なものが、理念とか可能性としてではなくて、「ここ」とか「そこ」に実際に「ある」、そういう場合を指して「実存」と言われているよう
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