レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
 
う文があったとする(ひどい例で申し訳ない)。これを「恋の喜びを謳ったもの」とか「ガラスという物体のもつ美しさを謳ったもの」とか、何らかの「対象」を「知覚(認識)」させるものとして解釈しようとしても、明らかにナンセンスである。また、リズムとしては、語呂が良いのか悪いのか、韻を踏んだりしているのか何なのか分からないが、少なくとも575とかの伝統的な定型のリズムでないことは確かである。「恋した亀がコップを求めて歌う」が「芸術的な要素」(別に表現の成否は問わない。事実を報告するだけの文と違う要素があるということ)を含んでいるのは、「亀」とか「コップ」とか、如何にも「恋」とか「歌う」とかといった語と「そぐわ
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