レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
 
接から多義性を引き出すことで、客観的意味を離れ、感覚的なもののエレメントに立ち帰ることができる。そのとき言葉は<意味する>という事実そのものとして機能するのだ。思考は詩の意味を見透かすが、同時にその意味の背後で詩の音楽性の中に埋没してしまう。そしてこの音楽性は、もはや対象でも何でもなく、おそらくただそれが遠ざけるもの、音楽性がそこから身を解き放つ当のものにのみ従って変化するのだ。現代詩は、古典的な韻律法と縁を切りはしたが、だからといっていささかも詩句の音楽性を捨て去ったのではなく、よりいっそう深いところにそれを求めたのである」(p107-108)

まるでそれ自体一つの詩のような抽象度の高い表
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