レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
ジ」(像)の方は、単に記号であることを超えた、独自の存在性を持っている(これはAである、と自らの個物としての性質を明らかにするもの)、とそう言うことも出来るだろうか。
芸術における感覚の働きについては、レヴィナスは、以下のように念入りに描写している。
「芸術において、対象を構成する諸々の感覚的質が、いかなる対象にも導かないと同時にそれ自体としてあるというそのあり方、それが感覚としての感覚という出来事、つまり美的出来事なのである」
「それをまた、感覚の音楽性と呼ぶこともできるだろう。・・・音楽の音はもはや物音ではない。そしてこの音は、対象の次元とはなんら共通性をもたない結びつきや総合を受け
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